カチガワ録音雑記

地域の皆様に愛されて100年。カチ録は街の情報発信基地。

タイトルが思いつきません

金が無さ過ぎ。
あったら月曜、仕事終わってから速攻で近鉄特急に飛び乗り、Zingへ行ってたのになぁ〜〜〜〜。



とりあえず読みが滞っていた安部公房の短編集[R62号の発明・鉛の卵]を一気読み。
いやぁやっぱ面白いわ。この人の表現が好きだ。「空気が固く息を止めていた」とかね。
この人の作品は、極当たり前の生活が、些細な事からいつの間にか歪みが生じて不条理へと向かうというのが多いです。[砂の女]があまりにも有名なので、説明の必要はないか・・・。[壁]や[箱男]、[燃え尽きた地図]なんかも良いです。


TANGERINE DREAM[Phaedra]やGeorge Russell[The Essence of George Russell]を聴きながら読書読書。
このジョージ・ラッセルという人はリディアン・クロマティック・コンセプトという音楽理論を考えた人で、ビル・エヴァンスがこの人のバンドにいて、ほいでからマイルスんとこへ呼ばれてこの理論を持ち込み、いわゆるモード奏法というのを編み出し、できあがったのが[Kind of Blue]なんだってさ。
そんな理論知らんし知る気もないけど、[Kind of Blue]はめちゃめちゃ好きなアルバムなので、有り難い事です。
んで、この[The Essence of...]は[Kind~]よりずっと後、吹き荒れまくったフリージャズ旋風もそろそろ治まりそうな1966年頃にレコーディングされたもの。
21人という大編成。既にエレピをはじめとするエレクトリック楽器を導入、テープ逆回転なんかも当たり前にやってしまいつつ、絵巻物的にめくるめく展開する1時間の大曲[Electric Sonata for Souls Loved by Nature]
この曲は、現代音楽作家によくある、理論の人特有の構築具合とイっちゃった感を持ちながら、サイケな空気やビッグバンド特有のゴージャスな装いなんぞも盛り込み、なおかつ総体としては当時のジャズの"あの感じ"であるというトンデモない代物であり、マイルスの69年作[Bitches Brew]なんかは間違いなく影響を受けており、例のDCPRGの128倍は良いと思われる。ONJO好きも気に入る事請け合い。
しかも、1時間たっぷりと聴かされた後に入る拍手で、これがライブを録音したものだと気付かされ、なんだかもう頭がクラクラに。
こんなスゴイもんであるのにも関わらず、あまりに知名度が低いのは何故?
何かの陰謀としか考えられません。
HMVでちょこっと聴けます。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=834043
有名所だと、Terje Rypdal(elg)やJan Garbarek(ts)なんかが参加してます。
このヤン・ガルバレクなんですが、単なるヤン繋がりでどうしてもMAHAVISHNU ORCHESTRAのJan Hammer(key)を連想してしまい、ヤン・ハマー苦手なので敬遠しがち(笑) 全然関係ないんだけどね〜。





その後、久々に[七人の侍]を観る。
っかぁ〜、すげぇなぁ〜、と感嘆すれど、自分はどうやら[赤ひげ]や[生きる]や[羅生門]や[どですかでん]や[どん底]やらの方が好きなようです。