カチガワ録音雑記

地域の皆様に愛されて100年。カチ録は街の情報発信基地。





ざっと彼のアルバム紹介
60年にPrestigeからデビュー。[Testifying][Young Blues](60)[Groove Street](62)と3作リリース。後2作を聴いた限りでは、比較的オーソドックスなオルガン・ジャズといった印象。あんまり聴いてません。
64年にBlueNoteに移籍。Elvin Jonesと共にGrant Green[Talkin' About]に参加しつつ、同じメンツにSam Riversを加えた編成でリーダー作[Into Somethin']を録音。
ここでのサム・リバースは、グラント・グリーンに気を使ったのか持ち味のアブストラクトなプレイを控えてます。けれど、そんなに器用な人ではないので面白くないです。ラリー・ヤングエルヴィン・ジョーンズも何にでも的確なバッキングができる人なので、ここは思い切りアブストラクトにやって欲しかったですね。ここではやはりオルガンとドラムの絡みが一番の聞き物。そういう意味では[Talkin' About]の一曲目Talkin' About J.C.が最高。J.C.といえばJohn Coltraneっすね。実はこの頃、コルトレーンの自宅でセッションしてたらしいです(Mother Shipのライナーに書いてあった)。
65年、[UNITY]を録音。Woody Shaw(tp)/ Joe Henderson(ts)/ Elvin Jones(d)という錚々たるメンツ。全員が同じ方向を向いていて、力量も拮抗してるので全曲完成度高いです。もの凄いテンション。紛れもなく名盤。それにしても泉が湧き出るようなオルガン・ソロはスゴイ。
66年は[Of Love And Peace]。James Spaulding(as, fl)/ Herbert Morgan(ts)/ Eddie Gale(tp)/ Wilson Moorman III(d)/ Jerry Thomas(d)というツインドラム編成。全編アブストラクト一色。パルスのようなリズム。オルガンは、他の楽器のソロの時でもバッキングの域を超えてて、ずっとソロをやっている感じ。個人的にはBlueNote時代はこの二枚が頂点だと思います(←そんな事なかった。後2作も傑作)
67年の[Contrasts]は未聴。メンツが翌年のアルバムに近いので、同じような路線ではないかと思います。(09年7月、再発されました)
で、[Heaven On Earth]。Herbert Morgan(ts)/ George Benson(g)/ Eddie Gladden(d)/ Byard Lancaster(as, fl)/ Althea Young (vo-6)というメンツ。これまでと一転してファンキーなソウル・ジャズをやってます。前々作がよっぽど売れなくてレーベル側から指導があったんですかね。 とはいえ、ソウル・ジャズのアルバムとしての質は高いのでバカにできません。一曲、ファンキーというよりスピリチュアル・ジャズに近い美しい曲があります。09年11月めでたく再発された事だし、広く受け入れられて良いアルバム。
69年[Mother Ship]はBlueNoteでの最終作。Herbert Morgan(ts)/ Lee Morgan(tp)/ Eddie Gladden(d)というメンツ。録音してすぐには発売されず70年代後半になってからLTシリーズとしてリリースされました。完全にファンキーなジャズを連想させる方のジャケはCDバージョン。このジャケのような中身を期待するとエライ目に会います。前作、前々作と続いたソウル・ジャズ路線の反動か、またアブストラクトに戻ってブチキレたソロをやってます。一曲目なんて特に。なんていうか、もう、バラバラです(笑。これ、ドラマーがTony WilliamsかJoe Chambersだったらもの凄いアルバムになったと思うんですけどね。