カチガワ録音雑記

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The Tony Williams Lifetime[Fingerpoppin’]
ブート。69年、New YorkはVillage Gateでのライブ。[Emergency!]リリース後っすね。お世辞にも音が良いとは言い難いけど、第一期ライフタイムのライブ音源なんてむちゃくちゃ珍しいので、最高にありがたい一品。アルバムに於ける妖しく凶暴な雰囲気が五割増。三人とも凄いんだけど、特にオルガンのLarry Youngが凄まじい事になっている。ぐしゃーっとノイズのような音を出したり猛烈な勢いでカッティングしたりと暴れっぷりが尋常じゃない。この人は[Love Cry Want]というアルバムでもむちゃくちゃやっていて驚いたけど、あれは特別でもなんでもなくて、普段ライブでやってた事なんだな(笑。ライブではやらないだろうなと思ってたトニーさんの妙な歌ですが、なんとやってました(汗
Lifetimeはこの後Jack Bruce(ex.CREAM)をベースに迎え、[Turn It Over]を録音。
で、これからって時にMahavishnu Orchestra結成の為、ギターのJohn McLaughlinが脱退。ついでジャックも脱退。たぶん、バンド内では同じイギリス人のマクラフリンしか話し相手がいなかったんだろうな(笑。マクラフリンの他にあんなギターを弾ける人はいないので、Lifetimeは大幅な軌道修正を迫られる事に。


で、軌道修正後、迷走期と言われている時期のライブ音源が↓


The Tony Williams Lifetime[Complete Montreux 1971]
Tony Williams(d, vo) / Juni Booth(b) / Larry Young(org) / Ted Dunbar(g) / Don Alias(per) / Warren Smith(per)
Montreux Jazz Festivalに於けるライブ。3rdアルバム『EGO』発売数ヵ月後かな。ブートだけど、むちゃくちゃ音が鮮明。おそらく正規リリースの予定でプロがマスタリングしたものの、何らかの理由でお蔵入りになったんでしょう。アルバムではベースがRon Carterだったけど、ここでは違う人が弾いてます。アルバムではそれまであった凶暴性が息を潜め、妖しい浮遊感で満たされてたけど、ライブは相変わらず凶暴性剥き出しで、何か異様な雰囲気が起ちこめてます。ここでもLarry Youngが凄い事に。Tony Williamsはキレまくり、Ted Dunbarも健闘。コンガ担当と、マリンバ、銅鑼、ティンパニ他、各種鳴り物担当の2人がいる事で、ファットかつカラフルなリズムが加わり、異様な雰囲気に拍車が。
ホント、正規リリースされないのが勿体無い内容で、これが出ればイマイチ低い第二期ライフタイムの評価も変わると思います。
YouTubeに映像があったので、貼り付け。

ラリー・ヤングの格好が(笑。*1
ブートは店によって値段がばらついてて、かなり高い店もあるので注意。
自分が買ってるとこはCD-R、DVD-R共にほとんど1500円で買えます。以前アップした初期Weather Reportのライブ盤もそこで買いました。ググればすぐ見つかります。

*1:彼はこの頃、ムスリムに改宗したのか知らないけど、名前もKhalid Yasinと名乗ってます。その後、『Lawrence of Newark』なんてアルバムも作ったり