カチガワ録音雑記

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『バッドテイスト』を観る。
ピーター・ジャクソン監督のアマチュア12作目にして長編1作目。友人達とキャスト・スタッフ兼任で、4年がかりで作り上げた作品。特撮はもちろん、台車やクレーン、ステディカムに到る撮影機材までも手作り。アイデアとそれを実現させる創意工夫、そして明確な目的と構成力。それらが既に備わっている。さすが8歳の頃から映画を撮り続けてきただけの事はある。グロ描写は徹底的にグロいが気の滅入るようなものではなく、しっかり笑いとして機能させていて見事。何度も爆笑させていただきました。今作がカンヌで絶賛され、監督はプロデビュー。パペットものの『ミート・ザ・フィーブルズ』、ゾンビものの『ブレインデッド』でスラップスティックホラーの頂点を極め・・・あとは言わずもがなですね。
これに関連して監督作『ラブリーボーン』のamazonカスタマーレビューが散々なのが気になった。確かに傑作!と太鼓判を押せるものではないけれど、それにしても言い過ぎ。意図がわからないから、すっきりしないからと言ってそこまで憤る事か?それでは問題が解けなくて癇癪起こしてる小学生と大差ないし、理解できないものをヒステリックに排除しようとする思考は危険だと思う。この映画は決して難解じゃない。キャラクターの行動とその動機にはきちんと意味づけがなされていたから、監督の意図を読み取る事はできたはず。結局、自分の期待した展開にならなかったから怒っているんだろうな。


この日聴いたもの
Sade - Lovers Rock
Keihin - Delight Of A Change