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[かむろば村へ]第一巻　いがらしみきお

銀行の合併ラッシュ時のごたごたでお金ノイローゼになってドロップアウトした銀行マンが、お金を使わない生活を目指し、かむろば村へ引っ越す。「田舎なら金を使わず完全に自給自足の生活ができる」という考え方からも解るとおり、この主人公は自分探し系のバカ。田舎に対して抱いていた甘い幻想が悉く打ち砕かれるような事態になっても金を使わない生活を止めようとせず、いろんな人に迷惑をかけまくるお話。そこに登場人物や村にまつわる不思議な話がチョイチョイでてくる。
作者が宮城県の田舎出身で、物語の舞台もその辺りがモデルのよう。田舎ならではの人々の生活やエグイ部分などもちゃんと描かれているのは、実態を知っている人ならではでしょう。そういうリアリティーが基盤となっているので、ファンタジーも生きてくるんだね。まだ一巻目なので、これからという感じだけど、なかなか面白いです。