カチガワ録音雑記

地域の皆様に愛されて100年。カチ録は街の情報発信基地。

嘘の風土記はうす青い

昨日は工藤冬里を観て来ました。
前半はピアノ。挨拶もなくBGMも止めてない内からいきなり弾き出す。立ったり座ったり落ち着きない挙動で、思いつくままに弾いている様子。何の衒いも気負いも感じられず、ひたすらに音と向き合っている様は圧倒的にピュア。まるで子供のようだ・・・とも思いますが、技術の裏打ちがない子供のでたらめ奏法では絶対に辿り着けない領域ですね。だからこそ素晴らしい。二曲目はThelonious Monk作『Round Midnight』。かなり短めでしたが、ちょっとシャレにならんくらいの感動を覚えました。この曲ほど工藤冬里に合うスタンダードはないでしょう。後半は歌とギター。PSFのコンピ『Tokyo Flashback2』に入っている曲をやってくれました。あのコンピは自分がサイケと出会った記念すべきコンピで、自分にとってのサイケの基本はあのコンピ。そんな重要作ですが、なにしろ20年ほど前の曲。まさかやるとは思っていなかったので、もう本当に嬉しかったです。
この日のライブはウチからすぐ近くのカフェCAWAの6周年記念。カフェのアニバーサリーに工藤冬里を招く店主のセンスは相当にぶっ飛んでいると思います。工藤冬里を観るのは2001年以来。その時はソロ名義だったものの実質マヘル・シャラル・ハシュ・バズでのライブでした。対バンはシェシズ、光束夜。今思うと豪華なメンツですが、お客さんはおっさんばかりで間違いなく自分が最年少だったと思います。名古屋でこの種のライブに若い人が来るようになったのはもう少し後の事だった気がします。当時はROVOやAMTも満員になるなんて事あり得なかったですからね。灰野敬二なんて十数人でした。
この日はROVOやAMTよりは知名度が低い工藤冬里で、しかも春日井なんでお客さん少なめと予想してましたが、かなり大入りでびっくりしました。とはいえ、お店のファンだから来たというような感じの人が多く、ライブ中も少し落ち着かない雰囲気だったのが残念。今日はKD Japonでマヘル・シャラル・ハシュ・バズなんですが、仕事なんで行けません。