太陽はもう輝かない
『ミッドサマー』を観た。カメラワーク、構図、色使い、衣装、美術、音楽、すべてがハイレベル。それらが混然一体となり、えぐ味とギャグの狭間で物語を支える。観客は強制的に幻覚剤を投与され、バッドトリップを味わう。不安を煽りに煽られ、開き直って笑うしかなくなり、却って清々しい気持ちになった。可笑しくて仕方ない。“ド田舎でカルトに捕らわれ、酷い目に遭う若しくはその一部になる”と言えばホラーではお馴染みのプロット*1だが、非凡な表現で見事名作に仕上がった。『ヘレディタリー』といい、アリ・アスター監督は露悪趣味に陥ることなく最悪を表現するのが本当に巧い。感服致しました。
残念ながらパンフは売り切れ。再入荷予定とのこと。もう一回観に行くのもいいが、なにしろ感染症がよくわからないことになっている。もうあまり街へ出たくないのだ。困った。