カチガワ録音雑記

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2020年2月21日

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大阪へ行ったついでにエキスポシティで『1917』を観てきた。エキスポシティと言えば日本最大級のスクリーンでIMAXレーザー/GTテクノロジーが堪能できる劇場だ。IMAXレーザーというのは平たく言えば4K映像と12chサラウンドのことで、最近になって名古屋の109シネマズもIMAXからIMAXレーザーに変わった。ただ、GTテクノロジーの文言は付いていない。どうやら2台の映写機を利用して巨大スクリーンに対応したものをGTテクノロジーと呼んでいるようだ。確かに名古屋のスクリーンはIMAXシアターの中では最小サイズだ。ただ、それでも普通の劇場サイズのものに比べればずっと大きい。エキスポシティがあまりにも大きすぎるのだ。呆れるほど大きい。しかしそれは、価値ある大きさなのだ。

ここで映画を観るのは2回目。数年前、ダンケルクを観るためだけに車を走らせた。凄まじい臨場感と没入感。始まった瞬間「スクリーンの只中に自分が居る」感覚に陥った。大げさでなく本当にそうなった。劇中の張りつめた空気をまともに喰らい、終始胃袋を鷲掴みにされる感覚を味わった。あれは忘れられない。自宅に有機ELテレビとUHDBDプレーヤーを導入したのはあれを少しでも追体験したかったからだ。もう何回も観てる。最高。

話を戻そう。1917だ。ダンケルクの緊張を再び、と思っていたのだが、そうはいかなかった。引き込まれはするものの、ずっとゲームのプレイ動画を観ているような感覚だった。実際、相当に意識して作られているようだ。TPS視点を意識したカメラワークも、長回しのカットを繋いで疑似ワンカットとしたのもゲームのそれだ。現代のゲームは、プレイアブルな場面とカットシーン(いわゆるムービー画面)がシームレスに繋がり、没入感を促進する作りになっている。あの文法で映画を撮ればこうなる。かつてゲームは映画から強い影響を受け、ひたすら近づこうと努力していた。そしてクソゲーの山を築いた。だが今では、映画へ影響を及ぼすまでになった。これまではアクション映画が主だったが、とうとうこんな作品が作られるまでになった。今作は生々しい臨場感を伴うが、途中からはっきりとファンタジーへ舵を切る。賛否分かれるとすればそこだろう。自分も戸惑った。ただ、その映像がどれを取っても息を呑むほど美しい。戸惑いながらも、映画の底力を感ぜずにはいられなかった。